HUM&Go

HUM&Goの勢いがすごい

 

最初に知ったのはクラビズムかフリーペーパーだったと思う。3年ほど前にボタニカルなものやサードウェーブコーヒー、チョークアートなんかが流行して、マクドナルドがいよいよ危なくなっていた頃だった。この時点では僕はカフェといっても完全にコーヒーで選んでいて、そして二三味珈琲以外考えられなかった時期を脱しようとしていた。

ジャーサラダでアメリカ人が死亡したニュースも入ってくる中、やはりジャーに入ったドリンク、鳥かごに入った草、エジソンバルブなどが2010年代中期を象徴していた。

デザイン意識の高いカフェが出来たようだと知っていながら、お昼を食べに訪れるまでは半年ほどを要した。新幹線が開業し、金沢の交通量もやや増加していた。コーヒーも美味しく、何かのサンドイッチを食べたがソースがとても美味しかった。小物のセンスもとても良く、まず店名ロゴのマグカップが最高に格好いい。ロゴだけで良い店だと分かる飲食店は、金沢にはまだ少ない。

 

ここ3年で、支店がいくつも、しかも金沢の中心部に出店している。勢いは留まるところを知らない。経営のスピードと、デザインに対する敬意を感じる。

少し調べると、おまめ舎という会社で経営されており、キングストングリルに由来を持っているよう。その前はあまり流行らないジャマイカ料理屋さんだったよう。

経営者の久木さんという方、4人目のスチャダラパーといったようにも見えるが、非常に有能な方なのだろう。マラソン5:32とのデータもあったがベストタイムは知らない。

日本仕事百貨という求人サイトの記事が興味深かった。

未来を持たない自由 « 日本仕事百貨

デザインは近所の小松さんという方に声をかけたよう。ご近所でこれだけの仕事に結びついたとすれば、"今日の出会いに感謝"、というやつだろう。デザイン部門の求人も随時行っていた。

 

特に未来の設計を行っていないという経営方針は、流行にアンテナを立てて柔軟なビジネスができる人にとってはいちばん良いのかもしれない。ゴールドラッシュのときにはやはり採掘関連で一儲けするのが良い。しかし引き際が肝心だと思う。次から次へと切り替わる流行は、追っていくのに体力が要る。その店においてマラソンは誠に合理的な趣味である。

 

キングストングリルは最近ファンタブルという、デリに重みのついたカフェにリニューアルしたよう。ビストロ寄りの洋食が流行ってたのも10年位前になってしまった。なんでもやります、寿司屋と定食屋の2枚看板のDNAが受け継がれている。飲食店は相変わらずプライベートの時間が取れない店長や経営者が多いけど、これもこれから変わっていくといい。

 

HUM&Goのこれからがとても楽しみです。